ハゲた頭に髪の毛は復活する?それは薄毛の人には切実な問題です。死んだ毛根から毛が生えてきたら、フサフサの時代へ戻れますからね。
抜けてしまった髪の毛の再生はあり得るか、じっくりと検証していきます。
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ハゲになったのは毛根が死んだから?二度と毛は生えない?
抜け毛が進んで肌色のハゲになってしまった。そうなると、もう髪が復活することはないのか…とあきらめる気持ちになってきます。
確かに、毛根の毛乳頭という中枢が退化すると、やがて毛穴もふさがります。表面を見るとツルツルで、よく「まぶしい」なんてからかわれる状態ですね。
こうなると復活・再生は無理。現状での対処は植毛のみになります。
ハゲていても栄養を送れる状態なら復活が可能
髪の毛が抜けてしまっていても、頭皮に毛穴が残っていて、その奥の毛乳頭・毛母細胞に栄養が送れる状態であればまだ望みはあります。
目で見てもわかりにくいんですが、検査すれば頭皮の表面に毛穴が残っているかは確認できます。もし残っていれば、また毛が生えてくる可能性があるんです。
その穴から、細い産毛の先っぽでも出ていれば、再生の可能性はさらにアップするでしょう。
毛根の寿命は意外と長く簡単に死滅することはない
髪の毛は、成長期→退行期→休止期→成長期~というサイクルで生えて抜けてを繰り返します。この期間は2~6年ほど。
人の一生ではこのサイクルを40~50回繰り返し、そのあと毛根が寿命を迎えます。1サイクル3年としても、寿命は120年。体が先になくなる計算ですね。
なので、簡単に死滅はしないんですが、AGA(男性型脱毛症)を発症するとサイクルは数ヵ月~1年に短縮されます。
すると、かなり早いうちに寿命が来てしまいます。ツルツルになった人には、こういう事情があるんですね。
あと、再生不能なのはケガややけどで皮膚が損傷した場合。毛根の死滅って限定的なんです。
毛根が死んだように見えるけどホントは生きてることがある
あれこれ手を尽くしても、一向に髪の毛が復活しない。ハゲてしまったし。こうなるとほとんどが、もう毛根が死滅して再生しなくなったとあきらめます。
髪の毛は生えなくても乳頭は生きている可能性あり
この状態を詳しくいうと、頭皮の下の毛根部分には根元を包む毛包があり、その中には毛乳頭、毛母細胞があります。
毛包が委縮して機能しなくなった状態が、死んだように見えるんです。もちろん古い毛は抜け落ちて、毛穴がわずかに残っているだけ。
でも、実は毛乳頭が残っていることが多いし、毛乳頭さえあれば復活は可能です。
この状態は、本来休止期から成長期に移行しなくてはいけないのに、休止期のままで長期間停滞している現象なのです。
こういった休止期の毛包が増えていって、健全な髪が少なくなったのが回復しないハゲ頭というワケです。
回復しないハゲって休眠しているだけかも
休止期にとどまった毛包は、何か外部から働きかけがないとそのまま変化しません。見た目は死んだみたいですが、実は休眠しているだけなんです。
でも、そのまま時間がたつと、残っている毛包は次第に委縮が進み、再生できなくなります。それに伴って毛穴も細くなっていき、ふさがって消滅。
はっきりしたデータはありませんが、毛が抜けてから再生不能になるまでは5年ほどとも。こうなる前に対処すると、復活・再生が可能になるんです。
毛根の成長サイクルが休止期で止まる理由ってどんなこと?
成長サイクルの乱れは、毛根にある毛包内で毛母細胞や毛乳頭の機能が落ちてしまうことで起こります。
働けなくなる理由で一番深刻なのがAGAでしょうね。悪玉ホルモン・DHTの作用で成長期から休止期へ強制移行、そのまま留め置かれます。
その他に影響力が大きいのは、栄養不足です。偏った食生活で髪に必要な栄養が不足するとか、血行不良で栄養が届かなくなったり。
また、成長ホルモンの減少や加齢でも、毛根の活性が低下します。体の活性自体が低下することもあって、休止期から成長期に移れない毛根が増えてきます。
死んだように休眠している毛根を復活させる効果的な方法は?
休眠状態に入った毛根を再び成長期に移行させるには、どうすればいいんでしょう。まずは、自分でできるセルフケアから。
睡眠時間を十分確保する
睡眠が不足すると、髪の成長を促す成長ホルモンの分泌が減少。毛根の活性が上がらないうえ、頭皮のダメージ修復も遅れます。
成長ホルモンはよく22時~2時の間に分泌されるといわれますが、これはウソ。
深い眠りのノンレム睡眠時に多くなり、特に入眠後1時間ほどで最大になります。
その後も断続的に波があるので、睡眠時間は最低7時間は確保したいですね。
バランスのいい食事で効率よく栄養補給
食生活の偏りが栄養不足の最大の原因で、毛根の機能が低下する原因でもあります。髪に必要な栄養素はビタミンB群、ミネラル、タンパク質の3つ。
逆に、脂質、糖質が多すぎる食事は血行不良や皮脂の過剰を招き、毛根にも悪影響を与えます。ファストフード、コンビニ弁当は避けたほうがいいでしょう。
必要な栄養に注意しながら、偏りがない食事を3食きちんと摂ること。それが、毛根や頭皮を活発に働かせるエネルギーになるんです。
有酸素運動で血行促進とストレス軽減
運動することで筋肉が動き、全身の血行がよくなります。もちろん頭皮や毛根の毛細血管にまで血流が増え、しっかりと栄養が届きます。
そして、脳にセロトニンというホルモンが増え、リラックス効果がストレスを緩和。ストレスで緊張していた血管がほぐれ、やはり血行促進効効果が望めます。
育毛剤で成長サイクルを正常化
生活習慣に関わることはセルフケアできますが、それだけでは死んだような休眠毛根はなかなか目覚めないでしょう。
そこで、毛根を休止状態に追い込んだ原因の一つ、DHTを抑える育毛剤の効果が期待できます。
育毛剤には多くの成分が配合されますが、その中にはたぶんDHTの生成を抑制する成分が数種類あるはずです。
DHTを減らせれば、休止させられていた毛根の活性も復活。新しい髪の再生が期待できるでしょう。
毛根の復活までには時間が必要
以上のような対策を講じても、毛根が復活するには時間がかかるもの。即効性は期待できないので、そのつもりで地道に継続する必要があります。
毛根の活性は個人差が大きく、育毛剤を使っても復活までの目安は3~6ヵ月と大ざっぱです。それも、栄養状態や体調次第ではさらに長引く可能性があります。
肝心の毛根にしても、休止してから時間がたつほど復活が難しくなっているという事情も。気長に続けることも、復活には必要なのです。
毛根の復活には医療機関を利用する再生医療も選択肢の一つ
自分でできる範囲の対策は育毛剤までで、より高度な対策としては、薄毛専門クリニックなど医療機関の利用が考えられます。
治療は育毛剤と同じDHT抑制や発毛促進を、医薬品を使って行うことが一般的ですが、さらに進んだ毛根再生医療の普及が進んでいます。
薄毛専門クリニックの毛根再生方法とは?
現状で広く行われている毛根再生治療には3つほどあります。
グロースファクター治療で毛根復活
グロースファクターとは、成長因子のこと。細胞分裂などの活性を上げる働きを持つタンパク質です。
もともと体内にもある物質なんですが、さらに頭皮に注入して補強することで、休止した毛根の細胞を再起動・復活させようという治療です。
HARG(ハーグ)治療で毛根再生
成長因子に加え、ビタミンや血行促進作用などを持つ薬剤を頭皮に注入する治療です。グロースファクター治療の進化版ですね。
薬剤を注入するだけの簡単な治療です。副作用などの心配もなく、最も広く採用されている毛根再生治療になります。
脂肪幹細胞治療で毛根活性化
幹細胞は他の細胞の元になる細胞で、患者の体内から取り出して培養したものを頭皮に注入します。
その肝細胞が元になって、頭皮では毛乳頭や毛母細胞を活性化。休眠した毛根を復活させようという治療です。
さらに研究中の最新再生治療も続々
そして、もっと進んだ治療法の開発競争が続きます。
先行しているのが資生堂グループで、「毛根鞘細胞」を培養してハゲた部分に注入すると、休止期の毛根が活性化して成長を始めるというもの。
もう一つは京セラが進める「デバイス大量生産技術」です。自分の正常な毛根から取った幹細胞を培養して毛包を作り、それをハゲた毛根に移植します。
これなら、本当に死滅した毛根の代替として再生できますね。他にもiPS細胞を使う方法も研究が進んでいます。
参考元:https://business.nikkei.com/atcl/report/15/226265/112400193/?P=2
こうなると、ツルツルにはげた頭に髪が復活することも、現実になりそうな気がしますね。
まとめ
毛根というのは、意外にタフなもの。なかなか死滅するものではなく、死んだように沈黙していても実は生きていたりします。
生きてさえいてくれれば、復活の可能性は残っています。その休眠した毛根に、どうやって元気になってもらうか。対策はいろいろありましたね。
自分でできることから初めて、育毛剤も使いましょう。それでだめなら医療機関での復活治療もいろいろ豊富です。
あきらめないで努力を続ければ、毛根は再生・復活してくれるでしょう。