抜け毛をよく見ると、毛根に何やら白い固まりがついていませんか?「ホコリかフケだろう」と、さほど気にしない人が多いのかもしれません。
でも、抜け毛の根元の白い粒が、何かを訴えていることがあるんです。場合によってはケアが必要かも。毛根の白いものの正体を検証します。
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抜け毛の根元に白い塊がつくのは何だろう@問題のない塊も
気になる抜け毛を観察していて白い固まりがあったら、だいたいが次の5つのうちのどれかです。
その①抜け毛の毛根が白いのはよく成長した証拠
毛根の端に、小さく膨らんだ毛球という部分があります。そこをよく見ると白いものがついているのではなく、毛球自体が白っぽく見える毛があります。
出典元:MBSコラム
これを見て白髪の始まりかと心配する人が多いんですが、実は長く成長を続け、毛球内の黒い色素を使い果たした毛なんです。
白い毛根の抜け毛は、寿命を全うして自然に抜けた、健康な毛の証明と言えますね。
その②毛根についた半透明の白い固まりは毛根鞘
毛根についている白い固まりが、半透明の膜状だった場合は、たぶん毛根鞘です。
毛根鞘というのは毛根を包む毛包の一部。毛包と頭皮をつないでいて、髪の毛をわざと引き抜いたらたいていついてきます。
髪を頭皮に固着させている組織なんですが、一部がはがれて抜け毛についてくることがあります。
日常的にもある程度はがれているものなので、珍しくはなく問題もありません。
その③毛根についた白い固まりはヘアキャスト
毛根鞘とよく似ているんですが、ヘアキャストはもっと深い部分の毛包が裂けて、皮脂と一緒に酸化して固まったものです。
もともと髪と密着していてシャンプーやブラッシングでは取れにくいんですが、細長いので指で引っ張るとすぐ取れます。
自然にできるものではなく、髪型などの影響で毛根に力がかかって発生します。
その④毛根についた白い塊は皮脂で角栓のことも
毛穴には皮脂腺も同居していて、そこから出る皮脂が多すぎる場合、白く固まったものが抜け毛にも絡んできます。
他の塊との見分け方は、指で触るとベタついて柔らかいこと。毛根鞘のような半透明ではなく、真っ白なのも特徴ですね。
古い皮脂が皮膚の角質と混ざって固くなったのが「角栓」で、これが抜け毛についてくることもあります。
その⑤毛根についた白いものはシラミの卵かも
シラミは小さな子供のいる家庭でよく見つかる寄生虫です。保育所でもらってきて親にも感染し、髪の根元に卵を産み付けます。
白いものはこの卵で、簡単には髪から離れないので他の白いものとの区別ができます。不潔なイメージがありますが、いくら清潔にしていても伝染します。
昭和の半ば以前の遺物かと思うかもしれませんが、現在進行形なんですね。
問題がある毛根の白い粒や固まりを見分ける方法
毛根の白い固まり5種類のうち、特に問題がないのは①の白い毛球、②の毛根鞘の2つ。ついていたからって何も問題はないし、何かする必要もありません。
問題は③のヘアキャスト、④の皮脂の固まり、⑤のシラミです。ついてくる状態を放置すると、抜け毛がひどくなるなどの弊害が出てきます。
見分け方は次の通り。
ヘアキャスト
出典元:https://www.demi.nicca.co.jp/salonsupport/faq_detail42.html
皮脂の固まり
大きさや形はまちまちですが、真っ白で柔らかく簡単につぶれます。鼻の横などを強くつまむと、毛穴から白い脂肪が出てきますね。あれが固まったものです。
シラミの卵の粒
出典元:https://www.demi.nicca.co.jp/salonsupport/faq_detail42.html
抜け毛の毛根についてくる白い塊は髪にどんな影響がある?
毛根についてくる白い固まりで、3つが問題あり。
そのうち⑤のシラミですが、これは頭皮から血を吸うだけで髪には直接悪さはしません。ただ、かゆいので専用のシャンプー、駆除薬で退治すればOK!
問題は③のヘアキャスト、④の皮脂の固まりです。これは何らかの対策をうたないと、抜け毛を起こして薄毛を進行させることにつながります。
ヘアキャストは牽引性脱毛症の前兆かも
ヘアキャストは、毛根を包む毛包が外部からの力で裂け、それが髪の成長に伴って毛穴から外へ出てきたもの。
髪を結ぶヘアスタイルなどで、毛根に負担がかかったことを示しています。
すぐにどうこうはないにしても、長い年月の間負担が続くと毛根へのダメージが重なり、薄毛になる牽引性脱毛症のリスクが高まります。
実際に牽引性脱毛症になった女性の自撮り動画が、youtubeに投稿されていましたので紹介しますね。
頭皮に皮脂が過剰分泌されると脂漏性皮膚炎のリスクが
頭皮には皮脂が常時分泌されていて、頭皮の乾燥を防ぎ紫外線の影響から頭皮を保護する役割があります。
通常の皮脂量だと問題はないんですが、抜け毛に絡みつくほどの量が分泌されているのであれば、過剰分泌かもしれません。
皮脂分泌が多いと、これが好物の常在菌が異常繁殖します。その排泄物(脂肪酸)は匂いの原因になるし、頭皮を刺激して炎症を起こし、大量の脂性フケが出ます。
皮脂で起こった脂漏性皮膚炎は、カビの仲間の常在菌が原因。治りにくく、長引く炎症からは抜け毛も始まります。
抜け毛の毛根に白い固まりがつく原因と効果的な対策とは?
髪の毛に悪影響が考えられる白い固まりは、ヘアキャストと皮脂ですね。なぜこんな固まりができるのか、その原因と対策です。
ヘアキャストの原因と対策は髪型にある
ヘアキャストについてはすでに原因がわかりましたね。髪を引っ張る髪型で毛包が切れたものなので、引っ張られないような髪型にすればいいんです。
女性ならポニーテールやお団子ヘアは要注意。編み込みやエクステは危険。男性でも分け目あたりが薄くなることがあります。
改善には、分け方を変えるとか、結び目の位置をずらすなどの方法があります。要するに同じ部分に負担をかけ続けなければ大丈夫。
思い切ってショートヘアにするのが、最も簡単で効果的な方法なんですけどね。
皮脂の白い固まりができる原因は?
髪にとって一番問題なのは皮脂の固まりです。過剰な皮脂分泌という頭皮トラブルは、いろんな原因が絡みます。対応もそれだけ面倒なんです。
ヘアケアが原因で過剰な皮脂分泌に
頭皮や髪のケアを間違えると、それが原因で皮脂分泌が増えます。
例えばシャンプーです。清潔にしようと1日に何回も洗髪すると、皮脂を落としすぎます。すると、頭皮が乾燥を防ぐために分泌量を増やしてしまうのです。
そして、シャンプーの洗浄力が強すぎる場合も結果は同じ。市販の安いシャンプーはだいたい石油系洗浄剤で、強い洗浄力で皮脂を落としすぎます。
さらに、洗い方による原因もあります。雑すぎて皮脂が落ちてない場合、頭皮には皮脂が過剰に残った状態になってしまいます。
食事やストレスが原因で過剰な皮脂分泌に
皮脂は食事とも密接な関係があります。脂質の多い肉類やファストフードなどは、若い人の大好物。こういった食品を多くとるほど、皮脂分泌も多くなるんです。
特に乳製品を含む動物性脂肪が多いと、皮脂の分泌が増える傾向に。
また、ストレスが多い生活ではホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンの影響が強くなると皮脂の分泌が増えてきます。
参考元:http://shibuya-skin.com/dermatology/aburashou/
皮脂の白い固まりへの対策は?
過剰な皮脂でできた白い固まりは、主に生活習慣が原因。対策も、当然そこを狙ったものになります。
皮脂の白い固まりを落とすには?
過剰な皮脂は、普通のシャンプーを普通に使ったのでは改善できません。
シャンプーは、頭皮への負担が少ないアミノ酸系シャンプーを使います。選べるなら、その中の脂性肌用にしてください。
洗う前にはお湯だけで予洗いします。そのあとシャンプー剤でマッサージしながら本洗い。後のすすぎは、シャンプーを残さないようにていねいに流します。
1日2回のシャンプーは洗いすぎ。洗浄力が強く髪がキシキシするシャンプーも逆効果なので、使わないでくださいね。
食事では脂肪の取り過ぎに注意
皮脂分泌は食事の影響が大きいので、脂の多い肉や揚げ物に偏らないように意識します。
そのうえで、髪に必要なタンパク質、ビタミンB群、亜鉛が補給できる食事を心がけてください。
もちろん脂質・糖質・タンパク質のバランスも必要で、野菜もしっかり摂りましょう。
睡眠不足やストレスの解消も配慮
皮脂と無関係みたいですが、睡眠不足やストレスで自律神経、ホルモンバランスが乱れると、血流や皮脂腺にまで影響が及びます。
頭皮の環境を正常に維持するためには、規則的な生活で睡眠時間を確保、運動を生活に取り入れるなどでストレス解消を図ることも必要です。
炎症が起こったら皮膚科で対処を
もし頭皮に炎症が起こったら、セルフケアでは対応は無理です。早いうちに皮膚科で診てもらってください。
カビ菌が繁殖しているので、完治まではかなり長引くかもしれません。
まとめ・毛根についてくる白い粒では皮脂の塊に要注意!
抜け毛の毛根についてくる白いものって、意外にいろいろありましたね。
- 白い毛球…問題なし
- 毛根鞘…問題なし
- ヘアキャスト…髪形で対応可能
- 皮脂の固まり…要注意
- シラミの卵…薬で退治
でも、対策がいらないもの、深刻ではないものが多く、本気で対策が必要なのは皮脂の固まりぐらいでしょう。
これを放置して炎症まで行くと、本当に薄毛の可能性が出てきます。頭皮が脂っぽい人は、普段の生活で皮脂を減らす予防が必要ですね。